<新NISA>特定口座のつみたて投資は、新NISAへ移すべき?

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2024年から始まる新NISA。つみたて投資枠と成長投資枠合わせて年間で最大360万円投資可能になります。これまで特定口座で投資をしてきた方は、一度売却して新NISAへ移行した方がいいのでしょうか。簡単なシミュレーションを踏まえて、移行した方がいいのかどうか解説します。

新NISAってどんな制度?

まず、簡単に新NISAの制度を復習しましょう。

新NISA概要
新NISA概要

これまでのNISAとは、3つの点が大きく異なります。

①非課税枠が拡大

②非課税保有期間が無期限に

③売却で投資枠が翌年以降復活

移行する時、どんなパターンが考えられるか

特定口座から新NISA口座へ移行する時は、一度売却してから再度購入するという手続きを踏む必要があり、以下の2パターンが考えられます。なお、売却する際には、売却益に対して、20.315%(住民税5%、所得税15.315%)の税金が課される点に注意が必要です。

※今回の検証は、新NISAの非課税保有限度額1,800万円を使い切らない前提で行っています。限度額を使い切る場合は、検証結果が変わる可能性もありますのでご留意ください。

パターン①:含み益がある場合

含み益がある場合、先述のとおり、売却時に売却益に対して20.315%の税金が課されます。
例えば、100万円を特定口座で運用し、100万円の売却益があった場合、20万3,150円の税金が課されることになります。そのため、新NISAに移行するのは、運用額(100万円)と売却益(79万6,850円)を合わせた179万6,850円になります。

なつ夫
なつ夫

売却すると税金が課されるため、売却益が目減りしたように感じ、そのまま特定口座で運用した方がいいのではないかと悩みます。

パターン②:含み損の場合

含み損となっている場合は、売却益がないため税金は課されませんが、損を確定させることになります。例えば、100万円を特定口座で運用し、50万円の含み損となっていた場合、新NISAに移行するのは、運用額(100万円)から売却損(50万円)を差し引いた50万円になります。

なつ夫
なつ夫

一見損を確定させているため、損しているように感じますが、新NISAでの簿価を少なくできているように見えます。

シミュレーションしてみた

一度売却してから再度購入という手続きを踏んでまで、特定口座から新NISAへ移行する必要があるのでしょうか。以下の条件で簡単にシミュレーションしてみました。

シミュレーション条件

・元本;100万円
・現時点での損益率20%(含み益の場合:+20%、含み損の場合:−20%)
・投資期間:20年間(追加投資なし)
・利回り:4%

パターン①:含み益がある場合

ケース1:特定口座で運用(移行なし)

20年後の運用益は、

            120×(1+0.04)^20-100≒162.9

162万9千円となり、これに税金20.315%を課すと、

最終的な利益は、129万8千円となる。

そのため、資産額は229万8千円。

ケース2:新NISAへ移行

新NISAへ移行時に売却益に税金(20×0.20135=4万円)が課されるため、

116万円を20年間運用。

20年後の運用益は、

            116×((1+0.04)^20-1)=138万円

そのため、資産額は254万円。

ケース1の資産額<ケース2の資産額となりました。
含み益がある場合は、新NISAへ移行した方が良いということになります。

パターン②:含み損の場合

ケース1:特定口座で運用(移行なし)

20年後の運用益は、

            80×(1+0.04)^20-100≒75.3

75万3千円となり、これに税金20.315%を課すと、

最終的な利益は、60万0千円となる。

そのため、資産額は160万0千円。

ケース2:新NISAへ移行

新NISAへ移行時に売却益は発生しないので、税金も発生しない。

80万円を20年間運用。

20年後の運用益は、

            80×((1+0.04)^20-1)=95.3万円

そのため、資産額は175万3千円。

パターン②についても、パターン①と同様、ケース1の資産額<ケース2の資産額となりました。
含み損がある場合も、新NISAへ移行した方が良いということになります。

まとめ

2024から始まる新NISA。これまで特定口座で投資を行ってきた方は、一度売却して新NISAに移行するのがおすすめです。(ただし、非課税保有限度額1,800万円を使い切らない場合

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